Generative AI(生成AI)の爆発的普及や高度なクラウド基盤の拡大により、データセンタの熱設計は大きな転換期を迎えています。24時間365日止まらないデジタル社会を支えるため、空冷から水冷・液冷へと冷却技術の進化が進む一方、そこには新たな構造的リスクが潜んでいます。
ミッションクリティカルなシステムを脅かす脅威—。デジタル社会に大きく影響するかもしれない次世代データセンタにおける「冷却水の微小な漏れ(リーク)」にフォーカスし、その早期検出・検知における具体的なアプローチを提案します。
データセンタの液冷システムは、無数の部品から成り立っています。
サーバ内の熱を奪う「コールドプレート」、流路を分岐させる「マニホールド」、数キロメートルに及ぶ「冷却配管」、そしてそれらを繋ぐ「クイックコネクタ(継手)」。これらの接合部において、漏れは許されません。
しかも、液冷の設備ライフサイクルに関わるステークホルダーは多岐にわたり、それぞれが異なる責任範囲(フェーズ)で品質を担保する必要があります。
データセンタで処理される演算量は幾何学的に増大しています。サーバに搭載される超高性能CPUやGPUの消費電力と発熱量は限界値に達しており、これまでの主流であったファンによる「空気冷却(空冷)」では対応しきれない事態となり、水などの媒体を直接サーバ内部に循環させる「液冷(水冷)システム」に進化しています。空気の何千倍の熱容量を持つ液体を使用することで、極めて高い冷却効率を実現しますが、これは同時に「電気設備と伝導性液体が同一空間に超高密度で共存する」という、本質的なリスクを抱え込むことを意味しています。
● サーバ・基板の短絡(ショート)と致命的な故障 : ハードウェアの即時全損
● データ損失とバックアップ破損 : 進行中のトランザクションの消失と復旧不可能なストレージ損傷
● データセンタ全体のシステムダウン : 社会経済活動(オンライン決済、コンビニ、物流、緊急通信など)の広範囲に及ぶマヒ
冷却配管の健全性は法律で直接義務化されてはいませんが、重要な社会インフラであるからこそ、業界標準を上回る自主検査基準が必要です。当社は、部品製造から運用メンテナンスまで一貫してサポート可能な高性能テスト機材をラインナップしています。
微小なピンホールも見逃さない高精度なエアリークテスト、およびガスリークテストを可能にするシステムです。ラインの自動化(FA)にも適応し、製品一つひとつの気密性を確実に定量化します。
現場へ持ち運びが容易なポータブルモデルでバッテリ駆動の上、スニファ式のため、プローブが届くところまでは検査可能。微小な漏れを瞬時に検知する水素(H2)トレーサガス方式を採用しており、圧力降下法では検知に膨大な時間がかかる、あるいは検知困難な「微小な欠陥(リーク)」の場所を問わずに確実に素早くキャッチします。
A1. 完全に安全です。
検査に使用するガスは「5%水素+95%窒素」の混合ガスです。これはISO 10156:2017準拠の非可燃性ガスに分類されており、空気と混ざっても引火・爆発する危険は一切ありません。 一般的なガスボンベと同様に安心してお取り扱いいただけます。
A2. はい、事前実験からデモ機の貸出までトータルに協力いたします。
当社のアプリケーションエンジニアが、貴社の対象となる試験体(検査サンプル)をお預かりし、最適な検査条件を検証のうえ、お伝えします。また、実機を現地でお試しいただくためのデモ機貸出も承っております。
A3. 標準製品はおよそ2週間からお届け可能です。
◆ 標準エアリークテスタ(FLA-020X) : 2週間目途
◆ スニファ式ポータブル水素リークディテクタ(HDA-0100等) : 2週間目途
◆ 装置搭載型水素リークディテクタ(HDZ-0201)・カスタム検査装置・インライン自動機 :
仕様打合せおよび基本設計後に、個別のご相談となります
液冷システムに関連する皆様へ
設計段階の課題から現場の検査方法まで、貴社の運用条件に最適なリーク検査プロセスをご提案します。デモ・技術相談のご用命はお気軽にお申し付けください。