IoTの普及、自動車のEV化、産業機器の高機能・高精度化に伴い、電気・電子部品にはこれまで以上に厳しい品質基準が求められています。その中で、製品の長期信頼性を担保する中核となるのが、金属・ろう材・ガラスなどを用いて行う「気密封止(ハーメチックシール)」です。パッケージに「リーク」がある不良品が市場流出した場合、次のような重大な不適合(故障モード)を引き起こし、企業の信用を揺るがすトラブルへと発展します。
・ 水分侵入による内部回路のショートや腐食
・ 封入ガスの漏洩による機能低下
・ 内部環境の悪化に伴う絶縁破壊
・ 経年劣化の加速による特性劣化・早期寿命
当社では、従来の目視検査や導通試験では検知できない微小な欠陥を生産ライン(インライン)で瞬時に検出する高精度リーク検査を提供しています。
スマートフォンや車載ECU、通信機器の「基準クロック源」として発振する水晶振動子は、内部が真空または不活性ガスで満たされ、厳密に気密封止されています。 封止部に微小な欠陥があると外気が流入し、流入した水分や有機物が付着して、重さが変わったり、電極が腐食したりすることで、周波数異常や発振停止を引き起こします。
至る箇所で使用されるコンデンサですが、中には、高電圧・高電流環境下で使用されるものもあり、それらのものは、内部材料の確実な保護が必要です。 密閉性が不十分な場合、電解液の蒸発(ドライアップ)によって想定より早く寿命を迎えることとなりますが、外部からの水分侵入によりショートを起こし、発煙・発火事故につながるリスクも潜んでいます。
高電流のON/OFFを担うメカニカルリレーは、内部に不活性ガスを封入することでアーク放電を抑制しています。リレーは電気的寿命が定められていますが、リークによって封入ガスが漏れると、接点の摩耗や溶着が加速して早期故障や発火につながります。
高輝度LEDは屋外看板や自動車のヘッドライトなどに多用されますが、消費電力が大きく発熱を伴うため、パッケージの信頼性が命です。 樹脂外装のクラックやリードモールド部の剥離などから水分や腐食性ガスが内部にリークすると、電極の腐食やマイグレーションが発生し、輝度低下、点滅、不点灯(オープン故障)を引き起こします。
電子部品のリーク検査は、MIL-STD-882-Seal1014に準じて行います。リーク検査は、次に2種類の検査(試験)を併用しますが、どちらか一方では、検出できるリークの大きさが異なるため、密封性を充分に評価できません。
〇 グロスリーク試験(大きな欠陥を検出する検査)
主な対象:パッケージの封止不良、大きな割れ、目視レベルの欠陥孔など
〇 ファインリーク試験(小さな欠陥を検出する検査)
主な対象:グロスリークではすり抜けてしまう、目に見えないナノレベルの微小な欠陥
上図の通り、グロスリーク試験とファインリーク試験(およびさらに微小な領域をカバーするウルトラファインリーク試験)は、それぞれ測定できる漏れ量の範囲(領域)が異なります。もしファインリーク試験しか行わない場合、「大きな穴があいた不良品(ガスの出入りが早すぎて、試験時にはすでに内部ガスが空になっている状態)」を良品と誤判定してしまうリスクがあります。製品の確かな性能と品質を担保するためには、グロスリークとファインリークの両試験を組み合わせてカバー領域の隙間をなくすことが、「市場不良ゼロ」を実現するための鉄則です。本項の更に詳しい解説はこちらをご参照ください。
当社はお客様の生産形態や試験体(検査対象品)に合わせ、最適な方法をご提案します。
リーク結果(漏れ量)の定量化:客観的に結果を判断できる
インライン全数検査に対応 :生産タクトを落とさない高速検査
グロス~ファインまで一括対応 :ワンストップで高度な気密性保証を実現
高度な自動化・データ管理連携 :トレーサビリティの確保、スマートファクトリ化に対応
・少量・開発向け(デバイス開発時のテスト、抜き取り検査等)
MSA-0101:卓上式グロスリークテストシステム
MSX-0101:ボンビング・グロス・ファインリークテストシステム
・量産・全数検査向け(インライン自動化対応)
MSZ-6200:グロスリークテストシステム装置(バラ入れ・バラ落とし仕様)
MSX-7002:ボンビング・グロス・ファインリークテストシステム装置(バラ入れ・バラ落とし仕様)
MSX-7003:ボンビング・グロス・ファインリークテストシステム装置(パレット搬送仕様)
電子部品専用気密検査装置の総合カタログはこちらよりご覧いただけます。
A1. 正確な判定を行うため、ご発注前にお客様の検査対象品をお預かりし、当社にて事前実験を行います。検査の可否判断および最適な検査条件出しを行ったデータをご提示し、ご納得いただいた上で仕様確定・ご発注となります。 詳しい流れは「導入の流れ」ページをご覧ください。
納期については選定される機種や自動化の要件によって異なりますので、お打ち合わせ時にご提示いたします。
A2. グロスリーク、ファインリークそれぞれの測定原理や、ボンビング法(加圧圧入法)の詳細つきましては、「技術解説・測定原理」ページにて図解付きで詳しくご紹介しています。
A3. はい、可能です。 リチウムイオン電池等を始めとするその他の電子部品の実績がございます。
「この部品も測れるか?」とお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。
「自社の製品にはどの検査方式がベストかわからない」「現在のタクトタイム内で全数検査を行いたい」など、検討段階でのご相談も大歓迎です。お客様の製品特性や生産ラインに合わせた最適なリーク検査システムをご提案いたします。